原因の特定できない不妊症・着床の障害

鍼灸の効果が期待できるのは、原因の特定できない機能性不妊症、続発性(二人目)不妊症 です。  

近年では、生殖医療のサポートを受けられる方が増え、「体外受精でグレードの高い胚は出来るが、胚移植を行うと何故か着床しにくい 」というご相談も多くいただきます。

妊活 / 不妊症の改善

原因の分からない不妊症や着床障害には、母体全体のバイタリティ(生命力・活力)の弱まりを考えてみる事も大切です。

疲労、ストレス、冷え、環境の変化についていくのがしんどい、過去のケガや病気の影響、体力の衰え、気の滞り、不安、焦り、憤りといった精神の不健康・・・。

様々な要因により、母体全体の力が弱まれば、本来備わった生殖機能の働きもセーブされてしまう、と考えられます。  

本来、妊娠できる女性が、いつに間にか妊娠しにくい状態になってしまう事もあるのです。  

当院では、このような「母体に生じた弱まり」を、機能性(続発性)不妊症や着床障害の一因と捉え、全身(心)を対象とした鍼灸治療により改善を目指します。  

全身(心)の不調を改善することで、元気な卵子が育ちやすい、受精卵の活性、着床しにくさの改善など、妊娠しやすい状態に近づけていくのです。


妊活と鍼灸

鍼灸は、妊娠の大敵である、冷え、自律神経の乱れ、ストレスによる緊張状態の緩和に効果的だと考えられています。

これは、自然妊娠を望まれる方、生殖医療のサポートを必要とされる方に関わらず、健康的な妊娠・出産の為の基礎・土台となるものです。  


冷えの改善 「なぜ冷やしちゃいけないの?」

この50年間で、日本人の平熱は平均で約1℃下がったと言われます。平熱が35度台の女性も珍しくありません。  

冷えが妊娠の大敵であることはよく知られています。子宮や卵巣の血行が悪化するからです。

子宮は、赤ちゃんを育てる為に、温かく、柔らかく、栄養満点なお部屋である必要があります。  

ところが、冷えにより子宮や卵巣の血流が滞れば、子宮の働きは鈍り、柔軟性を失い、本来の機能を発揮できなくなってしまいます。  

また、冷えで子宮や卵巣の機能が低下すると、良い卵子が作れなくなったり、着床に必要な子宮内膜が厚くならなかったり。  

さらに冷えは、生理痛、月経前症候群、女性ホルモンや自律神経の乱れ、代謝や免疫力の低下などを引き起こします。  

鍼灸は、女性の体との相性も良く、冷え症や血液循環の改善に効果的だと考えられています。

*ここで述べた子宮や卵巣の冷えとは、内臓器の温度の事ではありません。人間の深部体温は、恒常性維持の働きで、常に37度付近に保たれています。東洋医学でいう「冷え」とは、血流の低下や代謝機能の滞りなどによって起こる、巡り(循環)の停滞、働きの鈍さ、分泌の異常など、陰的な機能のアンバランス全般を意味します。


ストレスと自律神経 「妊娠と関係するの?」 

妊娠の要となる女性ホルモンは、脳と卵巣のキャッチボールにより分泌されます。  

脳の「視床下部」という部位にある女性ホルモンのコントロール・センター。

ここは、自律神経系のコントロール・センターの部位にとても近く、両方の働きは相互に影響しています。

自律神経系の働きの乱れは、女性ホルモンの分泌・月経周期・排卵といった生殖機能にも影響します。  

また、更年期などで女性ホルモンの分泌に変調が起これば、即座に自律神経系に影響を与え、様々な心身の不調の原因となるのです。

自律神経の働きは、不規則な生活習慣やストレスによる緊張状態によっても乱れがちです。  

全身(心)を対象とする鍼灸は、自律神経の調整やストレスによる緊張状態の緩和にも効果的だと考えられます。


基礎体温 「排卵を調べるだけじゃないの?」  

基礎体温表を拝見すると、 様々なタイプの折れ線グラフがあることがわかります。

低温期には 、安定した低温域を維持できているでしょうか? 途中に高温日が混ざってジグザグな折れ線になってはいないでしょうか?  

陥落日(排卵日)には 、キチンと体温が下がっているでしょうか? その後、高温期に向かって一気に跳ね上がるようなスパイクがみられるでしょうか?  

高温期には 、高温域を維持するような横線が描けていますか? また、高温期から低温期への移行は滑らかでしょうか?

陰の時期(低温期)には大地の如く、しっかりとした良い卵子を育み、

陽の時期(高温期)には、太陽の如く、跳ね上がる熱パワーで妊娠を維持できるように。  

妊娠には、このような母体内の陰陽虚実(いんようきょじつ)のバランスがとても大切です。

お預かりする基礎体温表には、現在の母体の状態、治療の効果、ご本人の努力等が折れ線グラフとなって現れます。これを改善の指標として用います。  

*基礎体温とは、「十分な睡眠時間をとった早朝覚醒時(起き上がる前) に、 婦人科体温計 で測った、口腔舌下の体温 」のことです。

胚移植前後のTEAS治療の有効性

胚移植時の着床率の改善には、全身(心)の調整に加えて、補助治療として、TEAS治療(経皮的経穴通電療法)を行います。

TEAS治療の具体的な研究報告(出典:Feritility and Steritility)

■ 45歳以下の、着床障害を訴える女性309名を、無作為に3つのグループに分け、胚移植の前後にTEAS治療を行った研究結果。

Aグループ(99名):胚移植の30分後に、TEAS治療を行ったように見せかけたグループ

Bグループ(110名):胚移植の30分後に、実際にTEAS治療を行ったグループ

Cグループ(100名):胚移植の24時間前と胚移植30分後に、2回のTEAS治療を行ったグループ

■ 結果

Aグループ:妊娠率29.3%、着床率15.0%、生産率21.2%

Bグループ:妊娠率42.7%、着床率25.7%、生産率37.3%

Cグループ:妊娠率50.0%、着床率25.9%、生産率42.0%

■ 結論

TEAS治療を行うことで、妊娠率が向上する可能性があることが示唆されました。

*当院では、胚移植の前後2回のTEAS治療を受けられる事をおすすめしています。

男性不妊へのアプローチ

不妊で悩まれるカップルの約47%に男性側の不妊要因が関わっています。  

完全に否定できる根拠がなければ、男性不妊の検査をされることをお勧めします。  

原因のわからない機能性男性不妊(ED・精子の機能異常など)にも、背景には、疲労・ストレスなどに起因する、その方の生命力(生殖機能の働き)の弱まりがあると捉えます。  

全身(心)を対象とする鍼灸治療により、生命力(内なる生殖機能)の働きを補い、男性不妊の原因にアプローチします。

生殖医療と鍼灸の併用

排卵誘発剤やホルモン治療による母体の疲弊、精神ストレス。  

受精卵を作るまでにかなりのエネルギーを消耗し、いざ着床や妊娠を維持するパワーを失ってしまっている女性も少なくありません。  

母体の弱まりを改善せずに妊娠できたとしても、そこは赤ちゃん(胚)にとっては、空腹で、寒くて、落ち着かないお部屋なのかも知れません。

胚移植・妊娠・出産に備えて、巡りが良く、柔らかで、栄養満点な、居心地の良いお部屋(子宮)にリフォームしておくことが大切です。  

生殖医療による母体ダメージの回復、スムーズな胚の着床、妊娠維持力の為にも、鍼灸による母体コンディショニングを併用されることをお勧めしています。  

妊娠はゴールではありません。母子ともに健康で安全な出産までが道のりです。

鍼灸・積聚(しゃくじゅ)治療

千葉 山武・東金市の在宅鍼灸