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ご留意していただきたいこと

お子様の症状に対する修理ではありません

小児はりは、全身(心)のバランスを調整することで、お子様に本来備わっている体力を取り戻し、症状の改善を目指す治療です。

疲れている子、興奮しやすい子、冷えている子、過敏な子、生まれつき体力の弱い子、大きな手術や事故で体力の弱まった子・・・

様々な子がいて、その子を取り巻く環境や事情も異なれば、生じる症状は多岐にわたります。

風邪をひきやすい・高熱が出る・鼻水が止まらない・湿疹・頻尿・食べない・癇癪・チックなどの神経症状・・・

症状とは、その子の健康を守るために、免疫力獲得の修行のために、ストレスに適応するために、まだ未発達な小児の身体が、あえて作り出していることも多いのです。

原因を探しまわり、改善に一喜一憂し、お子様の症状に振り回され、疲れきってしまっている親御さんも多くみられます。

改善を望んでいるのはお子様でしょうか? 安心したい親御さんなのでしょうか?

治療の後は、症状の変化(即効性)だけでなく、

  • 睡眠の質(寝つきが良くなった、ぐずらず起きれるようになった)
  • 食欲(好き嫌いが減った、量が増えた)
  • リラックス度(興奮しくくなった、人見知りしなくなった)
  • 排尿や排便の変化(コロコロの便が出なくなった)
  • 声の活発さ
  • 物事への意欲
  • 兄弟喧嘩が減った

など、お子様のコンディション全体の変化を臨み見てください。

今出ている症状だけにとらわれず、症状を発症させている全身(心)のアンバランスの改善に目を向けてあげることも大切です。

日常(ご家庭や周囲とのコミュニケーション)を見直す

お子様の身体にこれといった異状がみられなかったり、症状が現れるのが限局的である場合には、日常生活の中に原因が潜んでいることも少なくありません。

例えば

育児中のお母さんの口調の抑揚が(ビジネスモードのままで)高い声で強い語気、早口のままであったりすれば、小さい子ほど空気感や耳から緊張してしまいます。

親御さんも働き盛りの年代、お仕事で忙しいと家事や育児をスムーズに片づけてしまいたくなります。

お子様を急かしたり怒鳴ってしまうことはないと思いますが、ビジネスモードでテキパキと動くお母さんを尊敬できるのは、もう少し年長さんになってからです。

忙しなさ・イライラ・不安感は、所作や言葉の波動を介して、必ずお子様に伝播します。

忙しない時ほど、ゆっくり低めの声で優しく接してあげてください。

それだけで改善した小児神経症のケースもありました。もちろん治療の必要はありません。

例えば

どこに行くにも何をするにも、お子様が心配で可愛くて、最善を尽くしてあげたくなってしまうものです。

「戦場から帰還した兵士が、戦場でのPTSDにより徐々に視力を失う」

そのような症例が欧米で問題になったことがありますが、小児期の親や周囲の過干渉も、それに似た影響を脳に与えるという研究があります。

小学校のお受験や習い事の発表会やコンクールの前に発症する様々な神経症、これは当院でも多く見られます。

チック・吃音・近視や弱視の急な進行・後頭部を壁に打ち付ける・心因性頻尿やおねしょの再発・眉毛症(ストレスで眉毛を抜く)・爪噛み・氷食症(冷水を好む)・アトピー性皮膚炎やアレルギー性喘息の再発・・・

勝負や戦いの前には誰でも緊張するものです。ましてや幼い子供です。

「我が子の為に厳しくしなければ」

も大切ですが、過度の期待や厳しさが逆効果になるケースもあるのです。

「家族みんなで一緒に〇〇を楽しもう」

そのような寄り添い、二人三脚(家族は味方)は子供のストレスを軽減解消させます。

無理なく、過負荷なく、少しづつお子様の心の容積が(健康的に)増していくのを実感できると思います。

ストレス性の神経症や心身症の原因は、環境の変化や周囲とのコミュニケーションに不安を感じて起こりやすいものです。

症状や部位への対症的な治療では、ストレスが戻った瞬間に症状が再発してしまうケースも少なくありません。

小児はりの特徴と刺激量

小児はりの5つの特徴

男児の背部に行うローラー鍼
男児の背部に行うローラー鍼
  • 安全な道具を用いた やさしい刺激の治療 です。
  • 小児のデリケートな心身に適しています。
  • お子様に無理をかけない短時間の治療です(5~10分程度).。
  • 心地良い刺激により、お子様の 神経系の緊張やストレスを緩和 します。
  • 自律神経の働きや血液循環が良くなり、健やかな成長を促します。

安全な道具を用います

小児の治療で用いる様々なタイプの鍼(はり)
小児の治療で用いる様々なタイプの鍼(はり)

用いるのは、鍉鍼(ていしん)というスティック状や、ローラー、ヘラ、ブラシのような、擦ったり掻いたりするタイプの鍼です。

お子様に「痛い」とか「怖い」といった感覚を与えず、気持ち良く治療を受ける子がほとんどです。

お母さん

皮膚に触るだけで何が変わるの?

はなのやま

子供の肌はとても敏感で、小さい子ほど 皮膚表面への刺激が全身に影響しやすい ことが生理学的にもわかっています。

小児の神経症・ストレス症状

さみし気な男児の後頭部
  • 小児神経症(夜泣き、カンノムシ)
  • チック症・吃音(どもり)
  • 夜尿症・心因性頻尿
  • 小児の心身症・ストレス症状
  • その他

小児は成長途中にあり、様々な器官の発達が未熟です。

そのため、ちょくちょく機能失調を起こします。

はなのやま

これは成長に伴うもので病気ではありません。

また、急な環境の変化、精神ストレス、周囲の大人とのコミュニケーションに不安を感じて発症する症状もあります。

小児はりは、お子様の神経系の安定や、ストレス緩和の効果があることが汎く知られています。

一人で悩まれずに、お気軽にご相談ください。

温灸などの補助治療

女児の腕へ行う棒温灸
女児の腕へ行う棒温灸

症状や目的に合わせて、補助的に 温灸(おんきゅう)を用います。

心地良く温めるタイプのお灸ですが、嫌がる子には行いません。