眼精疲労の改善
眼疲労と眼精疲労
長時間のパソコン、スマホ、タブレットなど、
近視的なディスプレイ作業による眼の疲労(過労)は、誰でも経験される事と思います。

目を休ませれば元に戻る、一過性の眼疲労。
そして、眼の疲労や肩こりや頭痛、眼窩痛などの症状が長引く、眼「精」疲労があります。
厄介なことに、眼「精」疲労は、目を休ませても改善しにくいのが特徴です。
「精」とは一体何でしょう?

「精」は、体の持つパワー(気力・体力)や、自然治癒力、生殖機能といった、その方のバイタリティ(活力)を意味します。
眼を動かす燃料(陰血)は、「精」から作られます。
東洋医学では、眼を動かす燃料になる「陰血(いんけつ)」は、精から作られると考えられています。
すなわち、肉体や精神の疲労で「精」が使われ過ぎれば、精から作られる陰血(目を働かせる燃料)も不足してしまうのです。
それどころか、疲労やストレスが強く、「精」の消耗が激しければ、そのロスを補う為に、蓄えられていた陰血さえ使われてしまうこともあるのです。
眼とは、光を受け止め、映像化する器官です。

光とは極陽。つまり陽が極まったもの。例れば、メジャーリーグの投手並みの速球です。
受け止めるキャッチャー(眼)も草野球レベルでは務まりません。
強い陽を受け止めてくれる、陰性の強いキャッチャーが必要です。
このように考えると、眼とは、かなり陰性が強い器官といえます。
腎と肝は、陰性が強く、精や陰血にも関わります。
腎は、気力や体力など、その方のバイタリティ(活力)を意味し、陰血の材料となる精を宿すとされます。
肝は、怒りや神経の興奮をコントロールする器官であり、眼を動かす燃料(陰血)を作ります。
眼だけでなく、腎と肝をしっかりと休ませる。
ストレス、イライラ、怒り、寝不足、疲労・・・。
そのような心身の疲労が、眼や、眼の周辺に現れるという事は、日常的によく見られます。

逆に、熟睡された後や、マッサージやリラクゼーションを受けられた後には、
「眼がパッチリした」「いつもより明るく感じる」など、
眼の変化を実感される方も多いのではないでしょうか?

つまり、快適に眼を動かす為には、
溜まった疲労やストレスを緩和させ、腎と肝をしっかり休ませてあげることも大切なのです。
鍼灸による眼精疲労へのアプローチ
眼の疲労だけでなく、心身の疲労から生じる眼「精」疲労。
そして、視力低下や、肩こり、首こり、頭痛、眼窩痛、自律神経失調、鬱(うつ)などの関連症状。

当院では、疲労、ストレス、不安・焦り・憤りなどの心的要因などにより、その方の生命力(自然治癒力)の働きが弱められ、精や陰血の消耗を速やかに補えない状態が、改善しにくい眼精疲労の原因だと捉えます。
全身(心)を対象とする鍼灸治療により、弱められた生命力(自然治癒力)を補い、消耗した精・陰血のリカバリーを促進し、眼精疲労の根源的な改善を目指します。

眼を休ませても、なかなか改善しない眼「精」疲労。
疲労やストレスに追い詰められた体からの、「休め」のSOSサインのようにも思えるのです。
ブログ文章 橋本昌周