風邪症状のない小児の発熱
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原因が思いつかない、突然の発熱
小児の発熱には、これといった症状もなく、原因が思い当たらないことがあります。
風邪かしら?
と様子をみていても、なんだか風邪でもないような・・・
こんな時、家族みんながハラハラしてしまいます。
小児の発熱には
- 熱以外の症状があまり見られない
- 突発的で下がりにくい
- 熱が上がったり下がったりする
- 夜になると熱があがる
- 熱の下がった後に発疹が出たりする
など、様々なケースがあります。
中耳炎や突発性発疹による発熱
風邪症状のない発熱の場合、 意外に多いのが、
- 中耳炎 によるものや 、
- 突発性発疹(熱が下がるまで発疹は出ません)です。
中耳炎のサイン
- しきりに頭を動かす
- 耳に手をやることが増える
- (中耳炎の方の)耳をお布団や枕に押し付ける
という行動が見られます。
薬剤アレルギーによる発熱
近年多くみられるのが、薬剤アレルギー性の発熱 です。
解熱剤や抗生物質などを何日か続けて服用した後に起こる、 薬剤に対するアレルギー反応としての発熱です。
熱が下がった後にも、「念の為に」と薬を続けた子に見られます。
いったん熱が下がったのに、また上がってきた ・・・
という場合には、最初の熱が下がった後に、どのくらい薬の服用を続けたかを振り返ってみて下さい。
必要以上の薬の成分を排泄する為に、小児の体が起こした アレルギー反応としての発熱 の可能性もあるのです。
解熱剤と免疫力
- 免疫がベストに活躍できる体温は38~39度といわれています。
- 免疫の活動や治癒反応の為に必要なので、カラダは自ら体温を上げようとします。
- ウィルスや菌との戦いが終わる前の解熱剤や抗生物質は 免疫の働きをセーブ してしまい、症状を中途半端に長引かせてしまう事があります。
ストレスや不安による心因性の発熱
熱が上がったり下がったりする発熱で多く見られるのは、 心因性(ストレス性)によるものです。
お子さんの目線で気づいてあげる事が大切です。
大人から見れば、驚くほど些細な事だったりします。
体温調節が環境についていけない発熱
小児は成長の途中であり、さまざまな器官や組織の発育が未熟です。
その為、頻繁にコントロール失調を起こします。
例えば、寒い外からいきなり暖房が効いたお部屋に連れてきたら、小児の体温は室温に合わせて上がってしまうことがあります。
これは成長に伴うものであり、病気ではありません。
このような反応を繰り返しながら体で覚えていくのです。
体温測定のミスもあります
正確に体温を測定するには、 水銀式で10分くらいかけて計るのが良いとされています。
ですが、 じっとしていられない小児にはちょっと難しいかも知れません。
耳で1秒で測れるタイプは大変便利ですが、 平衡率から推測測定するタイプなので、 プラスマイナス0.5度位の誤差 は出るようです。
あまり細かい数字を気にしない時の測定に使って下さい。
おかしいな?と思ったら何度か測定し直して欲しいのです。
その子なりの発熱の理由
- 小児は代謝が盛んで、まるで熱の塊(かたまり)です。
- 環境の変化にも敏感に反応して、しょっちゅう熱を出します。
- 熱も高めが普通で、40度位はちょくちょく出ます。
体温計の数字に振り回されずに、お子さんの今日一日を振り返ってみて下さい。
その子なりの 発熱の理由 を考えてあげることが大切です。
ブログ文責 橋本昌周