【勃起障害と東洋医学】機能性EDを起こす4つの原因

ED(勃起障害)とは

EDとは、男性の性機能障害のことで、

  • 性行為の際に十分な勃起が得られない
  • 最後まで勃起状態を維持できない
  • 性行為に満足できない

といった変調が起こります。

国内では、約980万人の男性がEDの症状に悩まれているという調査報告があります。

EDの定義

性欲・勃起・射精・オーガズムのいずれか1つ以上欠けるかもしくは不十分なもの

日本性機能学会 EDの定義

男性不妊の原因の約20%

EDに起因する男性不妊は、全体の20.7%を占めるという調査報告があります。

【参照】「一般男性不妊4,728症例の原因」 東邦大学大森病院リプロダクションセンター20年間

疲労・精神ストレスが原因になることも

加齢(更年期)に伴って起こる器質性ED はよく知られていますが、年齢が若くても、慢性疲労・精神ストレス・精力の消耗によって起こる 機能性ED も増えています。

機能性EDとは

  • 検査を行っても、器質的な(身体的な)原因が特定できないEDです。
  • 不安や緊張などの精神的な要因により勃起障害が発現すると考えられています。
  • 年配の男性だけでなく、青年期の男性にも起こります。
はなのやま

鍼灸治療が効果的だと考えられているのは、この機能性EDです。

生殖機能(性行為)とは、(子孫を残すといった)未来の為のものです。

心身が追い詰められた状態では、現在の自分を守ることが最優先となり、未来の為のエネルギーまで残す余裕がないのです。

  • 慢性疲労
  • 精神ストレス
  • 不安・焦り・憤り・無力感といった心の問題
  • 性行為そのものに対する緊張や不安

などにより、その方のバイタリティ(生命力の働き)が弱められ、性的興奮や勃起を持続できるだけのエネルギーが残されていない状態と捉えます。

妊活を意識した途端に十分な性交渉を行えなくなるケースも、このタイプであることが多いのです。

東洋医学で考える「機能性ED」4つの原因

心因性タイプ

心因的EDの男性イラスト

心配事や精神的なショック、憂鬱な気持ちによって

慢性的な不安や緊張状態により、自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位な状態では勃起しにくくなります。

生殖のパワーである腎気は、不安・恐怖・ショックによって弱められます。

  • 緊張を強いられる場面が多くある
  • ストレスフルな状態が続いている
  • 不眠、寝つきが悪い、胃腸の不調、背中の痛み
  • 性交渉の環境やタイミングに影響されやすい
はなのやま

心因性タイプは、機能性EDの中では最も多くみられます。

疲労蓄積タイプ

疲労の蓄積で疲れた男性のイラスト

慢性疲労や気の使い過ぎ、生殖パワーの消耗

すべてのカラダの機能は、消化吸収で作られた気血(活動エネルギー)がなければ働けません。

慢性疲労や気力の消耗により、消化吸収力が弱まれば、気血(活動エネルギー)の材料が不足します。

すると、性機能(勃起や射精)をコントロールする 腎気(生殖のパワー)まで不足してしまうのです。

  • 動悸、息切れ、多汗
  • 疲れてため息をつく
  • 気を使うことが多い
  • 食欲がない(もともと食が細い)
  • 下痢をしやすい
はなのやま

酔った状態での性交渉は、腎気を大量に消耗するので控えましょう。

虚弱体質タイプ

虚弱体質の男性のイラスト

虚弱体質や過度な性欲、消耗した精力を補えない

消耗した腎気(精力・生殖のエネルギー)を補えない状態です。

下半身の冷えや脱力感、腰痛を伴うことも多いです。

  • 過度な性欲(手淫、精力の使い過ぎ)
  • 先天的な虚弱体質
  • 身体の酷使や加齢も原因に
  • 腰の冷え、腰痛、寒がり
  • 足に力が入らず、立っているのが辛い
  • 顔色も黄ばんでいる
はなのやま

精力不足は、他の症状の原因にもなりやすいので、日常生活や性行為について見直しましょう。

湿熱過剰(生殖エネルギーの停滞)タイプ

ビールと焼き鳥を持って笑う男

飲酒・高カロリー食による、生殖エネルギーの停滞

肥満傾向の人に多く見られます。

高カロリー食や飲酒により、発散しきれない過剰な湿熱が体内(下半身)に停滞します。

停滞した湿熱により、生殖の為のエネルギーや水分が滞っている状態です。

  • 食べ過ぎ・飲み過ぎ(下半身まで重だるくなっている)
  • 運動不足
  • ストレスが多いとアルコールを欲する
  • 顔に脂が浮いている
  • のぼせや喉の渇きが強い
  • 便が軟らかい
はなのやま

湿熱や水分の停滞も、腎気(生殖エネルギー)の働きを阻害します。

機能性EDの鍼灸治療

全身(心)を対象とする鍼灸治療

鍼灸治療の写真

鍼灸が効果的だと考えられるのは、身体的な原因の特定できない「機能性ED」です。

東洋的な考え方の鍼灸治療は、生殖器の機能に対してだけでなく、全身(心)を対象にします。

弱められたバイタリティ(生命力の働き)を補い、セーブされていた精神活動・生殖機能の働きを取り戻す ことで、より根元からの改善を目指します。

原因に合わせた補助治療

補助治療(背部のお灸)

機能性EDの原因は個人差が大きく、複数の原因が混ざり合っていることも少なくありません。

治療の効果を高めるために、お一人お一人に生じている原因や目的に合わせた補助治療 を取り入れます。

隠れた要因には

過去の外傷(事故・転倒・手術)のイラスト

原因の特定できない症状に共通する「隠れた要因」には、過去の外傷の影響が考えられます。

事故・ケガ・手術によるダメージは、痛みが消失しても治癒したとは限らず、現在も身体に影響を与えている可能性があります。

頸部に現れるサインをもとに、外傷の影響に対してアプローチします。

時間を経た機能性EDは

腰に行う鍼とお灸

性的興奮を陰茎に伝える神経の働きが弱まっているケースが多くみられます。

陰茎への神経伝達を賦活させる為の補助治療として、仙骨にあるツボや陰部神経への刺鍼を用います。

ブログ文責 橋本昌周