加齢(男性更年期)に伴って起こる器質性ED(勃起障害)の原因
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ED(勃起障害)とは
EDの定義
性欲・勃起・射精・オーガズムのいずれか1つ以上欠けるかもしくは不十分なもの
日本性機能学会 EDの定義
EDの種類
- 器質性ED
加齢や生活習慣病による機能の衰えや、血管・神経の損傷など、身体的(器質的)な原因によるED - 機能性ED
慢性疲労・精神ストレス・不安緊張・生活習慣・精力の消耗など、身体的な原因が特定できないED - 混合性ED
器質性EDと機能性EDの両方が混ざったもの。男性更年期に起こりやすいEDも混合性と捉えます。
加齢に伴って起こる 更年期のED はよく知られていますが、年齢が若くても、ストレスや精神的な原因によって起こる 機能性ED も増えています。
EDの度合いをチェック
身体的な原因による器質性ED
加齢や生活習慣病よる機能の衰えや、血管・神経の損傷など、身体に何らかの原因があって勃起が阻害されてしまいます。
器質性EDの原因に多いのは、
- 血管障害
- 神経障害
- 内分泌(男性ホルモン分泌)機能低下
などに起因するものです。
また、降圧剤や向精神薬などの薬物による副作用が原因になるケースもあります。
血管障害によるもの
血管性EDでもっとも多いのが、加齢による動脈硬化 によるものです。
また、加齢に限らず、糖尿病 ・ 高血圧 ・ 高脂血症 などの生活習慣病も動脈硬化の原因となり、陰部の血流障害を引き起こします。
特に糖尿病では、男性患者の半数以上がED症状を抱えているともいわれます。
神経障害によるもの
勃起は、性的刺激を受ける中枢神経 と 性的興奮を伝える末梢神経 によってコントロールされています。
そのため、神経伝達に障害があるとEDの症状が起こりやすくなります。
性器周辺の神経が傷ついた場合でも、2年ほどかけてゆっくりと神経がつながり勃起力が回復する可能性があります。
内分泌機能低下によるもの
男性ホルモンの1つである テストステロン の分泌量が減少することで起こりやすくなります。
主に精巣で作られるテストステロンは、
- 男性らしい肉体の形成
- 闘争心や意欲
- 性欲・勃起力・精子の産生(性機能)
- 造血作用
- 幸福感
などに関わりがあるホルモンです。
概ね、30代半ばから徐々に分泌機能が衰えだし、40代になるとテストステロンの分泌量は大幅に減少します。
テストステロンの低下は、
- 勃起力を弱める
- 性欲の減退(性行為の回数が減る)
など、EDの原因となりやすいのです。
テストステロンが不足する要因
- 加齢による内分泌機能の衰え
- 精神ストレス
- 喫煙
- アルコールの常飲
などが要因として考えられます。
また、
- 原発性性腺機能低下症(精巣の機能異常)
- 続発性性腺機能低下症(脳の視床下部~下垂体の障害)
などの疾患でも、テストステロンの分泌不全が起こります。
混合性ED
身体的な要因と心理的な要因の両方によって引き起こされるタイプのEDです。
勃起障害が起こらないレベルの血流障害や内分泌障害であっても、心理的な要因が重なることでEDの症状が現れたりします。
加齢(男性更年期)に伴って起こるED
加齢による器質的要因には
40~50代の男性に生じやすい、
- 血管障害
動脈硬化による陰茎海綿体の血流障害 - 内分泌障害
男性ホルモン低下による性欲や勃起の衰え
があげられます。
加えて、中年男性に多い
- 喫煙
- 飲酒
- 運動不足
などの生活習慣も、EDの症状に拍車をかける危険因子となります。
精神ストレス・心的要因
40~50代は、社会的な責任や家庭での責任が増える年代でもり、慢性的なストレスや緊張を強く感じている方も少なくないでしょう。
このような状態が続けば、自律神経系のバランスは乱れ、勃起を抑制してしまう交感神経系優位の状態に陥りやすくなります。
更年期に発現する勃起障害は、身体的な要因に加え、ストレスや心理的要因も合わさった「混合性」として捉えます。
個人差はありますが、精神ストレスや心の問題から解放されることで改善できる可能性があるのです。
ブログ文責 橋本昌周